2. Cloud LaTeX で LaTeX 文章を書いてみる
Updated at April 24, 2024この章では、$\LaTeX$を実際に使って文書を作成します。
さて、$\LaTeX$とは何かを前章でさらったところで、実際に使ってみましょう。ここでは「入力して、PDFを生成する」ことを目標とします。コードの意味は後ほど解説します。
2-1. プロジェクトを作成する
Cloud LaTeXのマイページから、新規プロジェクトを作成しましょう!ここで言う「プロジェクト」は、Microsoft 社の Office Word上での「新しいファイルを作成する」と同義と思っていただいて結構です。
新規プロジェクトを選択
空のプロジェクトを選択(今回、エンジンはplatex
とします)
作成したプロジェクトを開く
ここまでできたらプロジェクト作成完了です。
2-2. 文書作成の流れとコンパイル
$\TeX$ファイル
まず「$\TeX$ファイル」(テフファイル)と呼ばれるテキストファイルを作成します。以下の例を示します。
\documentclass{jlreq}
\begin{document}
ここに文章を書きます。
\end{document}
このファイルを、適当なファイル名(例えばmain.tex
)というファイル名前で保存します。コンピュータは、このmain.tex
からmain.pdf
に生成します。
main.tex → [コンピュータ] → main.pdf
コンパイルとは
この記事では、「コンパイル」というワードが頻繁に出てきます。辞書には
コンピューターで、ソース-プログラムをオブジェクト-プログラムに変換すること。(スーパー大辞林)
とありますが、ここでは、$\TeX$ファイルからPDFを生成する行為という認識でOKです。
この「コンパイル」は、こちらのボタンで実行できます。
2-3. 試しにコンパイルしてみる
この節では「コピー & ペースト」で良いです。コンパイルして、PDFを生成するという一連の動作に慣れましょう。
例1
テキストフィールドに以下の文書をコピー&ペーストで入力してみましょう。
\documentclass{jlreq}
\begin{document}
過去は私にとつて苦しい思ひ出である。過去は焦躁と無為と悩める心肉との不吉な悪夢であつた。
月に吠える犬は、自分の影に怪しみ恐れて吠えるのである。疾患する犬の心に、月は青白い幽霊のやうな不吉の謎である。犬は遠吠えをする。
私は私自身の陰鬱な影を、月夜の地上に釘づけにしてしまひたい。影が、永久に私のあとを追つて来ないやうに。
\end{document}
※ 出典:萩原朔太郎「月に吠える」
さてここまで入力したら、コンパイルボタンを押してみましょう。(ショートカットキーとして、Ctrl + return(Enter)
でもコンパイルできます)
右側にPDFが作成されましたか?これで、$\LaTeX$文書の完成です。
例2
$\LaTeX$の強みでもある、数式を扱ってみましょう。
\documentclass{jlreq}
\usepackage{amsmath, framed}
\begin{document}
オイラーの公式は、式\eqref{eq:オイラーの公式}である。
\begin{framed}
\begin{align}
e^{i\theta} &= \cos(\theta) + i\sin(\theta) & i=\sqrt{-1} \label{eq:オイラーの公式}
\end{align}
\end{framed}
この公式を利用した、オイラーの等式を紹介する。式\eqref{eq:オイラーの公式}の\(\theta\)に\(\pi\)を代入すると、オイラーの等式(式\eqref{eq:オイラーの等式})が完成する。
\begin{framed}
\begin{align}
e^{i\pi} &= -1 \label{eq:オイラーの等式}
\end{align}
\end{framed}
\end{document}